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ローリングストックとは?日常の中に取り入れる無理のない備蓄法
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近年、大きな地震や水害など自然災害が各地で発生し、防災への意識が高まっています。
しかし、「防災」と聞くと、何を準備すればいいのか、どこから始めれば良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、日常生活の中で無理なく続けられる防災対策「ローリングストック」についてご紹介します。
ローリングストックとは?
ローリングストックとは、災害時に必要となる食品や消耗品を日頃から多めに購入し、消費した分だけ新しいものを買い足していく備蓄方法です。
災害大国である日本で生まれた考え方で、2011年の東日本大震災をきっかけに広まり始めました。
ローリングストックとは、日常的に食べるレトルト食品や乾麺、缶詰などの食品を少し多めに購入し、賞味期限が迫っているものから順に消費して、使ったら新しいものを買い足していく備蓄方法です。
従来の防災備蓄では、アルファ米などの非常食を購入して保存可能期限まで取っておき、期限が近づいたら一度に消費または廃棄して新しいものに入れ替えるという方法が一般的でした。
しかし、この方法では期限切れによる廃棄や、非常食をまとめて食べなければならなくなるというデメリットがありました。
また、いざ災害時に非常食を食べようとしたときに、慣れない非常食を食べることでストレスが生じるといったこともありました。
ローリングストックは普段の食生活の延長として防災備蓄ができるため、特別な手間やコストをかけずに災害への備えができる新しい備蓄方法といえます。
ローリングストックのメリット
ローリングストックには以下のようなメリットがあります。
①食品ロスが削減できる
日常的に消費していくので、期限切れで廃棄することが少なく、環境にも家計にもやさしいのがポイント。
②災害時に食べ慣れた食品が食べられる
災害時でも日常と同じものが食べられるとストレスが少なく、精神的な安心感にもつながります。
③収納場所が節約できる
防災用と日常用を分けて保管する必要がないため、収納スペースを有効活用できます。
④費用の負担が少ない
まとめて非常食を購入するのではなく、日常の買い物に少し上乗せするだけなので、経済的負担が少なくて済みます。
ローリングストックで用意しておくと良いもの
ローリングストックでは、家族の人数×3日分が備蓄の目安ですが、できれば1週間分を用意しておくと安心です。
用意するものの例を、食品と食品以外でご紹介します。
食品で用意すると良いもの
ローリングストックで備える食品は、以下の条件を満たすものがおすすめです。
・常温で保存できる
・賞味期限が半年以上ある
・日常的に使う食品である
・調理せずにそのまま食べられる
・収納する場所を取らない
主食
米(レトルトご飯、パックご飯)、乾麺(パスタ、そうめんなど)、カップ麺、缶詰パン、餅
主菜
肉や魚の缶詰(ツナ、サバ、コンビーフなど)、レトルト食品(カレー、丼の素、パスタソースなど)、フリーズドライ食品
副菜
野菜の缶詰、乾物(切り干し大根、干ししいたけなど)、インスタント味噌汁・スープ
その他
飲料水(1日1人3Lが目安)、お菓子類(チョコレート、ビスケット、飴など)、調味料(塩、砂糖、しょうゆなど)、果物の缶詰やドライフルーツ、野菜・果物ジュース
食品以外で用意すると良いもの
食品だけでなく、日用品もローリングストックの対象になります。
紙類
トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ウエットティッシュ
衛生用品
洗剤、石けん、ハンドソープ、生理用品
調理器具
割り箸、紙皿、紙コップ、カセットボンベ、アルミホイル、ラップ、ポリ袋
そのほか
使い捨てカイロ、電池
これらも日常的に使用するものを少し多めに買い置きしておき、古いものから使用していくことで、常に一定量の備えを維持できます。
特にカセットコンロとカセットボンベは、災害時の調理に欠かせない熱源となります。
カセットコンロは日常的にキャンプや鍋料理の際に使うこともできるので、普段から使用しながらボンベの残量をチェックして、少なくなったら買い足す習慣をつけると良いでしょう。
災害時に必要なアイテムは、下記のコラムでもご紹介していますのであわせてご覧ください。
ローリングストックを行う前に知っておきたいポイント

ローリングストックで備えておくアイテムは、各家庭の家族構成によって異なります。
特に乳幼児、高齢者、食物アレルギーがある方、ペットがいる家庭は以下のアイテムも準備しておくと良いでしょう。
・乳幼児:粉ミルク・液体ミルク、レトルトの離乳食、紙おむつ、お尻ふき
・高齢者:柔らかい食品(おかゆ、レトルトの介護食など)、飲み込みやすいゼリー状の食品、持病に合わせた食事、大人用紙おむつ
・食物アレルギーがある方:アレルゲンを含まない専用食品、普段から食べ慣れたアレルギー対応食品
・ペット:ペットフード、水、トイレ用品
災害時には特別な食品が手に入りにくくなるため、最低2週間分は備えておくことをおすすめします。
フェーズフリーを取り入れた暮らし方
近年注目されている考え方に「フェーズフリー」と呼ばれるものがあります。
これは「日常時」と「非常時」の境界をなくし、日常で使うものが非常時にも役立つようにするという発想です。
ローリングストックも、このフェーズフリーの一例です。
フェーズフリーのそのほかの例には、以下のようなものがあります。
・充電式LEDランタンを普段は間接照明として使い、停電時も照明として使う
・防災リュックを普段は通勤バッグとして使い、災害時の避難用にも使う
フェーズフリーのアイテムを使うと、「災害時にストレスが少ない生活を送れる」「災害時の備蓄を用意する必要がない」といったメリットが得られます。
フェーズフリーを取り入れ、日常と非常時の境目をなくすことで、特別な「防災グッズ」を用意する負担が減り、日々の暮らしの中で自然と災害への備えができるようになりますよ。
ローリングストックとは無理なく続けられる防災対策のこと
ローリングストックは「特別なことをする」のではなく、日常生活のちょっとした工夫で実現できる防災対策です。
買い物のときに少し多めに購入し、古いものから使って、また買い足す。
この単純なサイクルが、いざというときの大きな安心につながります。
・ローリングストックとは、日常的に食べる食品を少し多めに購入し循環させる方法です。
特別な非常食を用意する必要がなく、食品ロスが防げる、災害時に食べ慣れたものが食べられるといったメリットがあります。
・ローリングストックで用意するものは最低3日分の食品や、紙類、衛生用品などの日用品が挙げられます。
日頃使っているものを多めにストックしておきましょう。
・家族構成によっては乳幼児やペットのためのアイテムを準備しておく必要があります。
最近では「フェーズフリー」という考え方があり、日常と非常時の境目をなくしたアイテムなどが販売されています。